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手作り石けんの材料紅花油の効果と注意点

紅花油の手作り石けん

紅花と言って思い出せる映画といえば、スタジオジブリの『おもひでぽろぽろ』ですね。主人公の女性が田舎に行き、紅花摘みの手伝いをするシーンは非常に印象深いものがあります。そう、紅花といえば染料として古くから日本でも親しまれてきた植物です。サンフラワーの別名ももつ紅花は、シルクロードを経て日本にわたってきています。
そんな紅花油。手作り石けんの材料として、どう使えばいいのでしょうか?
それでは、紅花油を使ったときの、手作り石けんの効果と注意点を解説しましょう。

目次

紅花油の効果

紅花油には、1950年代から食用として発売された高リノール酸タイプの紅花油と、その後、「リノール酸が健康に良くない」という指摘を受け、品種改良された高オレイン酸タイプの紅花油があります。双方ともに軽い風味が特徴のオイルで、ビタミンEが豊富に含まれています。
高リノール酸タイプの紅花油は、リノール酸が77%、オレイン酸が20%、パルミチン酸が7%という成分構成であるのに対し、高オレイン酸タイプの紅花油はオレイン酸が72~79%、リノール酸が18~25%、パルミチン酸が7%という成分構成となっています。

紅花油を手作り石けんの材料に使うと、適度な保湿効果がでます。
特に、高オレイン酸タイプの紅花油を使った手作り石けんは、オレイン酸の保湿効果が出るため高リノール酸タイプの紅花油よりも肌用の石けんに適しているといえるでしょう。

紅花油のデメリット

リノール酸とオレイン酸を比較すると、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸に対し、多価不飽和脂肪酸であるリノール酸のほうが酸化が早く、手作り石けんの材料として使った場合、高リノール酸タイプは日持ちがあまり良いとは言えない石けんとなってしまうでしょう。
特に食用の紅花油には、高精製されたものや溶剤抽出法で抽出されたものがたくさんあります。こういった処理により作られた紅花油は、あまり美容用としてはおすすめできません。できれば、低温圧搾したものを探し求めるほうが良いでしょう。
ただし、食用の紅花油は市場流通も良く、安価であることは確かです。
また、リノール酸は過剰に摂取するとアレルギー反応を起こすと懸念されている不飽和脂肪酸です。リノール酸はすでに私たちの生活に浸透してきており、外食やお菓子などでかなりの量を摂取しています。高リノール酸タイプの紅花油で手作り石けんを作るとアレルギーを起こす可能性もありますので、気を付けて利用しましょう。

紅花油の鹸化価

紅花油の鹸化価は、高リノール酸タイプは苛性ソーダで137、苛性カリで~191、高オレイン酸タイプは苛性ソーダで137、苛性カリで~192です。

どのような場面で使うと効果的か

紅花油は、手作り石けんのメインを飾る石けんにはなりにくいオイルです。もともと食用で売り出され始めたオイルですので、低温圧搾の品質の良いもの出ない限り、他のオイルのほうが肌への効果が高い場合が多いからです。しかし、食用で売られているものは安価であるため、手作り石けんの繊細さや品質よりもバリエーションを重視したいかたは、他のオイルと混ぜて工夫を凝らしてみるのも面白いでしょう。

染色用の植物、オイルは食用にも

紅花の花や種子は古代エジプトの墓穴からも発見されたほど、人類が利用し始めてからの歴史は古い植物になります。主に染色、食用として使われてきた紅花油。手作り石けんの材料としてもバリエーションアップに使えます。しかし、やはり大事な肌に使うもの、せっかく石けんを手作りするのですから、高品質な紅花油を調達したいものですね。