手作り石けんはオイルと苛性ソーダ水を混ぜ、トレースが出た後に乾燥させ、アルカリ値を下げるために約1か月間の熟成期間が必要になります。型出しまでの期間も使用するオイルにより異なる上、気温や季節などによっても時期が前後するため、注意が必要です。熟成期間中の保管方法なども含めて乾燥方法をご紹介していきます。
目次
型出しと切り分け
石けんのタネを型に入れ、保温箱に入れて一日寝かしたあと、1週間後に型出しをします。使うオイルの配分によっては、固まり具合に差が出てくるため、必ず1週間後とは決める必要はありません。型出しをする段階で、側面がキレイに型から外れない場合はさらに1週間様子を見ましょう。無理に型出しをすることで側面が型にくっついて削り取られて、キレイな形の石けんにならない可能性もあるので、じっくり側面を乾燥させましょう。
乾燥した季節は若干早く表面が乾くため、型出しも早いですが、雨の多い時期や湿気の多い季節は型出しまでに時間がかかることがあります。目安はあくまでも目安として、気温や季節も考慮し、石けんの乾燥具合を見ながら型出しをする時期を決めるといいでしょう。
側面がキレイに乾燥したら、型出しをして、石けんを切り分けます。使いやすい好きなサイズの石けんにできるのは手作り石けんの楽しみの一つでもあります。日本ではボディタオルを使用して石けんをしっかり泡立てて使うため、手で握りこめる程度の小さめな石けんのサイズが好まれる傾向にありますが、外国ではボディタオルを使わず、石けんをそのまま肌に滑らせて使う人が多いため、正方形で大きめのサイズの石けんが好まれます。人にプレゼントするのであれば、好みに合うような石けんのサイズに切り分けるのが良いでしょう。
石けんを切るときに使用するものはナイフからワイヤー、ピアノ線まで様々です。長期に渡り石けんを作り続けるのであれば、石けん専用の切る材料を準備しましょう。初心者であれば、一度はナイフでの切り分けをしたことがあると思いますが、ナイフに切った石けんの側面がくっつくため、キレイな側面にならないことがよくあります。経験が長くなればなるほど、ワイヤーなどを使用する人が増えてきます。ワイヤーカッターは、石けん材料専門店などで様々な種類を取り扱っています。石けんを切り分ける際の土台も販売しているので、両方使うと簡単にキレイに切り分けることができます。外国などでは、一気に複数の石けんを切り分けるワイヤーが複数本装着された石けん用カッターも多く販売されています。オンラインで簡単に購入できるので、英語に抵抗がない人であれば、購入するのも一つの手です。
型出しや切り分けの時点では、まだアルカリ値も高いため、肌が荒れないようゴム手袋を使用しましょう。石けんに刻印を施したい場合は、切り分けの時点で刻印をするとキレイに入ります。乾燥が進むと石けんが硬くなってしまうため、刻印は入らなくなってしまいます。
熟成させる場所
切り分けた石けんは、それぞれ間隔を空け、トレイや木箱などに並べます。石けんを乾燥、熟成させる上で重要なのは、光と熱を遮断して保管することです。しっかり乾燥を促す必要があるため、なるべく涼しい場所に置くのはもちろんですが、光が入ると石けんの退色にもつながるため、直射日光の当たらない場所に置きましょう。光が気になる場合は、石けんにあたらないようにトレイや木箱の上にティータオルなどを掛けておくのも一つの手です。この際の注意点は、蓋などで密封してしまわないことです。熟成や乾燥には酸素が必要になるため、しっかり空気が通る状態で保管しましょう。
熟成期間
熟成期間の目安としては、マルセイユや様々なオイルのブレンドで作った石けんは4週間。オリーブオイル100%のキャスティール石けんを作る場合は、6週間くらいとなります。