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手作り石鹸のアルカリ計算法

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手作り石鹸の事前準備をするにあたり、オイルの種類やオプションとして加える素材、石鹸のデザインなどを考える時間は楽しいけれど、基本材料の一つである苛性カリや苛性ソーダなどのアルカリ量を導き出すための計算を面倒だと考える人は多いようです。加えるオイルそれぞれに対し計算が必要になるため、手間と時間短縮のためにアルカリ自動計算機のアプリなども存在するほどです。ここでは、固形石鹸を作る際に必要なアルカリ量の算出法をご紹介していきます。
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鹸化率を決める

アルカリ計算には、まず鹸化率を決める必要があります。鹸化率とは、使用する油脂量全体のうち、石鹸(脂肪酸塩)にする油脂の割合のことです。鹸化させない油脂を残すことで、出来上がる石鹸の保湿量を調節することが可能になります。乾燥肌用や保湿力の高い石鹸を作る際には「鹸化率85%」とし、油脂量全体の85%を鹸化させ、残り15%を残すようにします。普通肌用は「鹸化率90%」、脂性肌用やさっぱりした石鹸を作りたい場合は「鹸化率95%」とすると良いでしょう。
稀に鹸化が進まず、未反応の苛性ソーダが石鹸内に残ることがあります。肌への刺激を避けるために、鹸化率の上限は95%程度に留めておきましょう
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各油脂の鹸化値を調べる

次に、アルカリ計算に必要な鹸化値を一覧表から調べます。鹸化値とは、油脂1000mg(=1g)を石鹸にするために必要なアルカリ(苛性カリや苛性ソーダ)量のことです。液体石鹸を作る際には苛性カリ(水酸化カリウム-KOH)、固形石鹸では苛性ソーダ(水酸化ナトリウム-NaOH)を使用します。
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各油脂の鹸化値一覧表

油脂名苛性カリ(mg)苛性ソーダ(g)
オリーブオイル1910.136
ココナッツオイル2580.184
パームオイル2030.145
パーム核オイル2490.178
スイートアーモンドオイル1940.138
ピーナッツオイル1930.138
アプリコット核オイル1940.138
マカデミアナッツオイル1950.139
ヘーゼルナッツオイル1880.134
アボカドオイル192.60.137
つばき油1930.138
ひまし油1820.130
なたね油1740.124
キャノーラオイル1870.133
ひまわり油1900.135
紅花油1900.135
ごま油1910.136
米(ぬか)油1880.134
コーン(胚芽)油1930.138
小麦胚芽油1850.132
綿実油1930.138
大豆油1920.137
グレープシードオイル1880.134
くるみ油1940.138
ククイナッツオイル1900.135
月見草油1880.134
ローズヒップオイル1900.135
ココアバター2010.143
シアバター1870.133
ホホバオイル920.066
みつろう910.065
ラノリン1040.074
ミンクオイル2000.143
馬油2000.143
卵黄油1950.139
牛脂1960.140
豚脂(ラード)1980.141
乳脂(バター)1960.140

参考文献:前田京子氏著書「オリーブ石けん、マルセイユ石けんを作る」

鹸化値は、同じ油脂でも原産地や抽出法、種類などによって
アルカリ量を算出するも若干変化するため、文献により一覧表の数値が異なる場合があります。

固形石鹸を作る際のアルカリ(苛性ソーダ)量の算出法は次のとおりです。

油脂量(g) X 苛性ソーダ換算値(g) X 鹸化率

例)オリーブオイル500gを鹸化率90%で固形石鹸を作る場合
オリーブオイル500g X オリーブオイルの苛性ソーダ換算値0.136 X 鹸化率90%
上記により、苛性ソーダ量は「61.2g」と算出されます。

数種類の油脂を使用する場合は、それぞれの油脂の鹸化値を一覧表から参照して苛性ソーダ量を算出し、最後に苛性ソーダ総量の鹸化率を求めると良いでしょう。

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