色、形、香り、様々な石鹸がお店に並んでいます。雑貨屋さんなどで、可愛い石鹸が並んでいるとウィンドウショッピングでも幸せな気持ちになれます。
この石鹸、実はとても簡単に作れることをご存知ですか?
自分の好きなアロマをブレンドして入れたアロマ石鹸や、大好きな果物や野菜を入れたオーガニックな石鹸など、いろんなアレンジで石鹸作りを楽しむことが気軽にできます。お子様やお友達と一緒に、料理を作るような感覚で楽しく癒される時間を過ごせるでしょう。
ただ一つ、作る前の心構えとして「根気強くあること」です。作業自体は簡単ですが、とにかく待ち時間が長い!じっと待つことが苦手な方にはお勧めできませんが、完成したときの喜びは大きいものになると思います。
では、世界に一つだけのオリジナル石鹸の作り方をご紹介します。
目次
石鹸づくりの基本
コールドプロセス法(以下、CP法)という方法を採用した石鹸づくりについてご紹介します。
CP法では、低温でじっくり時間をかけて石鹸を作ります。取り入れたいオイル(オリーブオイルやココナッツオイルなど)を高温にしないようにして、オイルの劣化を防ぎます。グリセリンなどの成分をしっかりと石鹸の中に閉じ込めることができる方法です。
作ってから完成までにおよそ1ヶ月かかるので、時間はかかってしまいますが、使い心地の良い石鹸が出来上がります。
準備するもの
服装
・エプロン
・ゴム手袋
・保護メガネ、またはメガネ
・マスク
準備するグッズ
・スプーン
・かき混ぜ棒(ステンレス)
・温度計×2
・ゴムベラ
・保温箱またはスチロールボックス
・泡立て器
・ガラスボウル、またはステンレスボウル
・耐熱カップ×2
・はかり
・石けん型(ペーパーモールド、牛乳パックなど)
・料理用たこ糸(※牛乳パックを使う際に必要)
材料
・キャノーラ油・・・300ml
(オイル系のものであればアロマオイルを利用しても作れますが、今回は身近にある簡単なオイルを使った作り方をご紹介します)
・精製水・・・105ml
・苛性ソーダ・・・33g
※注意点
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は、薬局などで購入可能ですが、販売されていない薬局もあります。薬局に問い合わせるなど、あらかじめ確認することをおすすめします。
また、苛性ソーダは劇薬に指定されているものです。購入時には印鑑が必要になる他、身分証明書の提示が必要となる場合もあります。
取り扱いには十分に気をつけなければなりません。
そのような薬品の取扱いに抵抗がある方には、固形石鹸をおろし金やピーらーで削り、細かくして苛性ソーダの代わりにすることもできます。
苛性ソーダを使う方法での作り方をご紹介します。
石鹸づくり開始
苛性ソーダ水を作る
エプロン、ゴム手袋、保護メガネの準備ができたら、まずは苛性ソーダ作りに入ります。
1.耐熱のカップに精製水(105ml)を入れ、スプーンで苛性ソーダを少しずつ中に入れながら、ゆっくりとかき混ぜると、温度は80~90℃になります。
※1.火傷に注意してください。
※2.必ず換気しながら作業してください。
2.温度計を入れて、40℃程度まで冷まします。
温めたオイルを苛性ソーダに加える
3.オイル(ここではキャノーラ油 300ml)を湯煎し、苛性ソーダの温度と同じぐらいの40℃まで温めます。正確に温度がわかるように、もう一つの温度計を入れて温度を確認してください。
少しずつ、ゆっくりと苛性ソーダを加えて混ぜることがポイントです。
20分間、かき混ぜる
4.苛性ソーダと油がきれいに混ぜ合わせたら、泡立て器を使い、約20分間休まずにかき混ぜます。トレースができたら、この工程は成功です。
※トレースとは、カスタードクリームのようにドロリとした状態の固さになることです。トレースが出ない場合は、生地の温度が下がっていることが原因である可能性があるので、湯煎をして40℃程度にしてかき混ぜてください。
トレースが出る時間は、季節に寄っても変わりますが、12時間~数日かかる場合もあります。根気よく待ちましょう。
型に入れる
6.トレースが出来たことが確認できたら、次は生地を牛乳パックや型に流し込みます。上からラップをし、タオルなどで包んで保温箱(発泡スチロールや段ボールに新聞紙等を敷き詰める)に入れて24時間程度、保温します。
様子を見ながら、ひたすら待つ!
型に入れたら、生地が固まるまで待ちます。キャノーラ油は固まりにくく、1ヶ月ほどかかる場合もあります。根気強く、待ちましょう。
固まった生地をカット
7.生地(石鹸)が固まったら、型から出し、さらに1~2日程度日光の当たらない風通しの良い場所で乾燥させます。リビングでも、日陰になっている場所を探して十分に部屋を換気すると良いでしょう。
8.乾燥させたら、お好みのサイズにカットしていきます。カットする際には、いつも使っている包丁でもOKですし、食べ物用と分けたい場合は、ナイフのようなものがあればそちらを使用してください。
9.カット後、3週間~6週間ぐらいかけてしっかり乾燥させます。この乾燥の時間は重要で、乾燥中に生地の鹸化が進みアルカリ性が中和されて、使用しても安全な石鹸になります。
10.完成です!
いかがでしたか?それほど複雑な手順はないですが、時間がかかる作業ですね。ただ待つ、だけなので、日々忙しい方でも作れますよね。
片づけの方法
石鹸作りに使った道具には、強アルカリ性の生地が残っているので、手袋をはめてから片付けの作業をしてください。油と同様、作り終わった道具をそのまま台所で洗い流さないようにしましょう。
お酢などのスプレーで中和し、新聞紙またはキッチンペーパーでしっかりと道具をふき取りましょう。
あるいは、1ヶ月ほど放置しておくと、鹸化されて危険がなくなるので、それから洗うことも可能です。
自分好みの石鹸をつくってみましょう
石鹸の作り方は、先ほどご紹介いたしました。次は、様々なものを取り入れてオリジナルの石鹸作りにチャレンジしてみましょう。
よもぎ石鹸
石鹸作りの基本は、先ほどご紹介した方法と同じです。
材料
・オリーブオイル・・・200g
・ココナッツオイル・・・60g
・パームオイル・・・40g
・精製水・・・117g
・苛性ソーダ・・・37g
・よもぎパウダー・・・大さじ1
・シアバター・・・大さじ1
・アロマオイル
・ローズマリー・・・50滴
・スイートオレンジ・・・50滴
作り方
基本の石鹸づくりの途中、かき混ぜてトレースを作る段階で、よもぎパウダーでよもぎ色に色づけ、アロマオイル(ローズマリーとスイートオレンジ、それぞれ50滴ずつ)を入れます。
基本の石鹸作りではキャノーラ油を使用しましたが、今回はオリーブオイル、ココナッツオイル、パームオイルをブレンドしたものを使います。温め方や温度は、キャノーラ油のときと同じです。
よもぎ石鹸の効果について
よもぎは、昔から薬草として使われてきたもので、ニキビやアトピーなどへの塗布に効果があるといわれています。
※体質により効能は違うので、すべての方に当てはまりません。
昔は、農作業等でケガをしたときに、よもぎの葉を噛み砕きそれを患部に擦り付け、止血剤として使われていたこともあったそうです。
ハーブティ石鹸
ハーブはお茶にして飲んだり、スパイスとして料理に使ったり、クッキーに入れて食べたりすることができます。
そして、石鹸にすることもできます。以下に、ハーブティ石鹸の作り方をご紹介します。
材料
・無添加の石鹸・・・1個(約100グラム)
※苛性ソーダではなく、石鹸を砕いたものを使います
・濃いハーブティ・・・50cc (今回はカモミール)
・はちみつ・・・大さじ1
・オリーブオイル・・・大さじ1
作り方
1.濃いカモミールハーブティを入れます。
2.石鹸をおろし金やピーらーで削り、細かくします。
3.すりおろした石けんを湯煎にかけ、ゆっくり溶かしながらハーブティを加えます。
4.混ざってきたら、はちみつ(大さじ1)とオリーブオイル(大さじ1)も入れてこねていきます。
5.型に入れます。型を使わずに、自分の手でこねた形にしてもOK。
6.型からはずして乾燥させます。
7.1ヶ月ほど、乾燥するのを待ちます。(良質な石鹸を作るため、辛抱強く見守って下さい)
8.完成です!
ハーブティ石鹸の効果について
乾燥肌のスキンケアに良いとされています。オリーブオイルの効果もあり、しっとりとした肌になるでしょう。
カモミールには、心身をリラックス、緊張や不安の緩和、さらに「安眠に導く」癒し効果があるといわれています。
肌だけでなく、心までリラックスできるハーブティ石鹸。身体にも心にも優しい石鹸ですね。
まとめ
はちみつ石鹸や豆乳石鹸、コーヒー、アロエ、米ぬかを使った石鹸など、まだまだたくさんの種類の石鹸を作ることができます。
自分の好きな香り、使い心地の良い肌触り、可愛い形の石鹸を見つけ、世界に一つだけのオリジナル石鹸を作ってみてはいかがでしょうか?