手作り石けんに挑戦するうちに、ココナッツオイルやオリーブオイルなど基本のオイルの他に、アボカドオイル、マンゴーバターといったバター系、馬油やラノリンといった動物性のオイルまで様々なオイルがあることがわかります。
ミルクやお茶がらなどの身近な食材や健康に良さそうな材料を加えて自分なりのレシピを作るかたも多いのではないでしょうか。
その中でもひと際目を引くのが各国で伝統的・経験的に「良いもの」とされ長年使われてきた材料ではないでしょうか。
エミューオイルもそう言った材料の一つです。
それでは、エミューオイルを手作り石けんの材料として使ったときの効果と注意点について見ていきましょう。
エミューオイルの効果
エミューとは、オーストラリアに生息する鳥類の一種です。
ダチョウによく似た大型の鳥で、前に前に走る鳥、ということで国家成長の象徴としてオーストラリアの国鳥に指定されています。
そんなエミュー、他の生物に比べて肌の再生力がとても早いことで有名です。
そんなエミューから採れるオイルがエミューオイルです。
もともと、オーストラリア先住民であるアボリジニの人々に薬用として使われてきたエミューオイル、傷、やけど、打撲、関節炎、筋肉痛、虫刺され、皮膚炎など様々な用途で4万年以上も前から使われてきました。
人の皮脂成分に極めて近いと言われるエミューオイル、手作り石けんの材料としてはリノール酸、オレイン酸などを含み、ほどよく泡立ち、保湿力があります。
エミューオイルのデメリット
エミューオイルのデメリットは、その価格です。大変高価なオイルですので、メインオイルとして使うことは現実的ではないかもしれません。
また、馬油、リノレン、牛脂、ラードやバターなどの動物性オイルには共通してある難題ですが、植物性オイルに比べて香りが独特で強い、というのもデメリットの一つになるでしょう。
不飽和脂肪酸を含むため、比較的酸化が早いことも欠点の一つと言えそうです。
エミューオイルの鹸化価
エミューオイルの鹸化価は、苛性ソーダで137、苛性カリで226です。
どのような場面で使うと効果的か
エミューオイルは、その価格の高さから手作り石けんにふんだんに取り入れることはかなわないかもしれません。
しかし、エミューオイルを使った手作り石けんはとても上質な仕上がりになります。
高価であること、酸化が早いことから、メインオイルとして使うよりも、型入れ前にオプションとして流しいれることがおすすめできる使い方になります。
日持ちがあまりよくありませんので、冷蔵庫で保存し、できるだけ早く使い切る工夫もしたほうが良いでしょう。
エミューの皮膚再生能力の高さにあやかれ!エミューオイルを使った手作り石けん
エミューオイルは人の皮膚の成分構成に非常によく似ているため、荒れた肌や傷などを治したい人向けの石けんとして大変重宝されることでしょう。
オーストラリアの原住民、アボリジニが使っていたことに起因して、1980年代、オーストラリア政府により研究が進められ、現在、オーストラリア治療医薬品局の定める「医薬品」として認められているエミューオイル。
オーストラリア政府公認のオイルを手作り石けんの材料として加えてみると、国際色豊かな石けんが出来上がるかもしれません。