泡立ちには水が大きく影響している?硬水・軟水との石鹸の相性について

石けんの泡立ちと水

石鹸に求めるもの、それは「香り」「色や形」「肌との相性」「洗い上がりの肌心地」など様々ありますよね。その中でも「泡立ち」も重要なポイントになるのではないでしょうか。いくら肌に良い石鹸だ、と言われても、泡立ちが悪い石鹸だとしっかり汚れが落ちない気がして、使い心地にストレスを感じる方もいるでしょう。

一般的に、オーガニック石鹸やナチュラル石鹸などとよばれる、無添加の石鹸に対して「泡立ちが悪そう」というイメージをお持ちかもしれませんが、ココナッツオイル等で泡立ちの良さを実現している無添加石鹸は多くあります。

では、泡立ちに影響しているものは何か。それは「水」です。泡立ちに影響する「水」と「石鹸」との相性についてご紹介します。

水の硬度とは?軟水と硬水の違いについて

硬水とは、簡単にいうとミネラル分が多く含まれている水のことをいいます。では、その硬度はどのような基準で決められているのでしょうか。

水に含まれるミネラルには硬度成分である「カルシウムイオン」と「マグネシウムイオン」が含まれています。それらの量を計り、算出した数値を「硬度」と呼んでいます。

アメリカ硬度とドイツ硬度は単位が違う

硬度は世界共通の単位で表されていません。主に、「アメリカ硬度」と「ドイツ硬度」の2種類を基準にして硬度が定められています。

アメリカ硬度は、水1Lの中に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を、炭酸カルシウムの重量を濃度に換算し、「ppm」で表します。
一方、ドイツ硬度は水100mlのカルシウムとマグネシウムの量を、酸化カルシウムの重量を換算し、「dH」という単位で表します。

単位は違うものの、単位換算を行えばアメリカ硬度とドイツ硬度を比較することができます。
単位換算:1dH=17.8ppm

日本に馴染み深いのはアメリカ方式の表し方でしょう。学校の化学の授業で使われる濃度の表し方が「ppm」だからです。

数値の見方について

算出した値が小さい方が「軟水」、値が大きい方が「硬水」と認定されます。
日本の水は各地において差はあるものの、基本的に「軟水」が使われています(沖縄の水は、硬度が高いというデータがあります)。実は、世界の大半が硬水なので日本の水がほとんど軟水であるということは非常に珍しいことです。

軟水と硬水とでは泡立ちが違う?

では、本題の石鹸の泡立ちと水との関係に触れていきましょう。率直にいえば、「硬水は泡立ちが悪く、軟水は泡立ちが良い」というのが結論です。

これは、カルシウムイオンとマグネシウムイオンが原因しています。石鹸を水に溶かすと、化学反応が起き、カルシウムイオンとマグネシウムイオンに分離します。そしてこの化学反応により、不溶性の脂肪酸塩が発生します。この成分が石鹸の周りを覆い石鹸の泡立ちを妨害してしまうのです。硬水の場合、発生する脂肪酸塩の量が多く、より泡立ちにくさを助長しているのです。

一方、軟水の場合においてはこの脂肪酸塩の発生が少なく泡立ちを妨害する膜のようなものがあまり付かないので泡立ちやすくなります。

硬度が高いと石鹸消費量が高くなる

硬水は泡立ちにくい、ということは石鹸の量を増やして泡立ちにくさを克服するしかありません。ですから、硬水を使って石鹸を使用している地域では石鹸を大量に消費することになり不経済になってしまいます。

日本の水は軟水なのであまり困ることはありませんが、硬水を使う地域では石鹸作りに様々な技術や化学を駆使したのでしょう。昔からヨーロッパでは石鹸が使われてきましたが、その技術が今でも残り世界中で愛用されているのには、そういった背景があったからなのかもしれません。

硬水を軟化させる方法がある?!

水と石鹸は、化学反応によって泡立ちやすさ・泡立ちにくさに差が起こることが分かりました。ということは、逆に化学反応を使い硬水を軟化させて泡立ちやすさを実現することも可能なのです。

煮沸による軟化法

水中の硬度成分であるカルシウムイオン、マグネシウムイオンは化学反応により炭酸水素塩となりますが、その炭酸水素塩は煮沸することで固形物として沈殿させ、取り除くことができます。硬度成分を取り除くことで、結果として水の硬度を下げることになり軟化させることができます。

熱湯機能がついた洗濯機やドラム式洗濯機が欧米で発達したのは、硬度を下げ洗浄力を高める理由の一つです。

煮沸により軟化できない物質もある

硬度成分である硫酸塩は、煮沸により除去することができません。では他にどのような軟化方法があるのでしょうか。

・水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムを用いる「アルカリ法」
・エデト酸塩などの金属イオン封鎖剤を用いる「イオン封鎖法」
・イオン交換樹脂を用いる「イオン交換法」

この他にも、電気的に硬度成分を取り除く技術もあります。

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