手作り石けんで使用するオイル

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石けんを作る上で最も重要視されるのが、使用するオイルとその配分でしょう。オイル選びや配分によって石けんの特徴が決まるため、オイルそれぞれの脂肪酸の構成やその性質を知ることで、様々な石けんを作り出すことが可能になります。オイルを選ぶ際に知っておくと役に立つ性質をご紹介していきます。

オイルそれぞれの脂肪酸組成

オイル(油脂)は脂肪酸と、保湿成分や洗浄成分で知られるグリセリンでできています。脂肪酸は人間や動物にとってエネルギー源で必須栄養素です。細胞膜の構成成分となるほか、体内へのビタミン吸収を助け、ホルモンバランスを整える役割を持っています。脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大きく分類されます。飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸より酸化しづらいという性質を持つため、石けんを作る際には飽和脂肪酸を多く含むオイルを使用することで、いたみにくい石けんに仕上がります。

脂肪酸は300種類以上あるといわれていますが、重要な脂肪酸は、飽和脂肪酸のカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノリン酸、不飽和脂肪酸のパルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸です。オイルにより脂肪酸の含有量が異なるため、脂肪酸それぞれの特性を活かした石けんを作るのがお勧めです。

カプリル酸やカプリン酸、ミリスチン酸を多く含む代表的なオイルは、ココナッツオイルとパーム核油で、石けんの泡立ちをよくする効果がある一方で、肌刺激があります。
パルミチン酸を多く含むオイルはパーム油やココアバターで、酸化しにくく、硬い石けんに仕上がります。
パルミトレイン酸はマカデミアナッツ油やヘーゼルナッツ油などに多く含まれており、皮膚組織の再生効果があります。
ステアリン酸を多く含むオイルはシアバターやココアバターで、硬い石けんに仕上げます。
オレイン酸はオリーブオイルや椿油に多く含まれ、肌にマイルドに働き、保湿力のある石けんになります。
リノール酸を多く含むオイルはひまわり油や紅花油、グレープシード油、月見草油、コーン油、小麦胚芽油などで、皮膚のバリア機能を高める効果があります。
リノレン酸はキャノーラ油、くるみ油、ククイナッツ油、月見草油、ローズヒップ油などに多く含まれ、抗炎症作用がある一方で、酸化を速める作用があるため注意が必要です。

不鹸化物の割合

不鹸化物はオイルに含まれていますが、石けんにはならず溶け込む成分を指します。不鹸化物は、スクワレンや糖脂質、リン脂質、ステロール、ビタミン、抗酸化物質などがあり、肌に有益な成分が多く含まれています。オイルを精製する際に、多くの不鹸化物は取り除かれてしまうものの、残った不鹸化物だけでも十分な効果を発揮してくれます。不鹸化物は化学反応の反応速度を速める性質を持つため、不鹸化物を多く含むオイルは、石けんが固まるまでの時間が短くなります。したがって、オリーブオイルの場合は、精製されたピュアオリーブオイルよりも、ヴァージンオリーブオイルを使った石けんの方が硬めに仕上がります。

融点と凝固点

融点と凝固点とは、オイルが溶けたり、固まる時の温度を指します。融点と凝固点は石けんを作る際にの硬さに影響します。石けんを使う際にお湯の温度が、使用したオイルの融点よりも高い場合、溶けにくい石けんになるのに対し、融点が低いオイルのときには、溶けやすくなります。溶けやすいということは、難点ばかりではなく、洗浄力を発揮する上で非常に効果的です。融点は、石けんの洗い上がりにも影響します。平均体温である36~37度よりも低い融点のオイルを使用した場合、さっぱりとした石けんになるのに対し、高い融点のオイルを使用した石けんは、しっとりした石けんに仕上がります。

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